アルミ合金の物性と研削加工条件
下表に代表的なアルミニウム合金の具体的な物性値を鉄鋼材料のS50Cと比較して示します。
表から分かりますように、超々ジュラルミン(A7075)は引っ張り強度がS50Cと同等レベルであり、ダイセットのベースプレート等に用いられるようになり、平面度を得るため、研削加工される機会が多くなっております。
アルミニウム合金は、延性(伸び)が大きく、熱膨張係数が大きいという特性を持ちます。伸びが大きいということは、つながった切り屑がでやすく、また砥 粒に溶着して目つまりし易い材料です。したがって、気孔の大きなハイポーラスな砥石を用い、研削液を十分に供給する必要があります。
熱伝導率が大きいので、局所的に熱がこもって、高温になることはありませんが、線膨張係数が大きいため熱変形が大きく、また縦弾性係数が小さいので、研 削抵抗により歪みやすく、形状精度を確保するのが難しくなります。また剛性が小さい形状の工作物では、びびりが発生する場合がありますので、出来るだけ研 削抵抗を小さくする必要があります。
材料名 | 引張り強さ N/mm2 |
伸び (%) |
硬さ (HB) |
熱伝導率 cal/cm2s℃ |
線膨張係数 (x10-6) |
比重 | 縦弾性係数 N/mm2 |
A2017(T451) | 420 | 22 | 105 | 0.32 | 23.4 | 2.79 | 69,000 |
A5052(H112) | 260 | 10 | 68 | 0.33 | 23.6 | 2.79 | 71,000 |
A7075(T651) | 530 | 6 | 155 | 0.31 | 23.6 | 2.82 | 72,000 |
S50C | 610 | 18 | 179 | 0.12 | 11.7 | 7.9 | 114,000 |
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