【No.0602-21】アルミニウム合金の特性と研削加工条件

アルミ合金の物性と研削加工条件
下表に代表的なアルミニウム合金の具体的な物性値を鉄鋼材料のS50Cと比較して示します。
表から分かりますように、超々ジュラルミン(A7075)は引っ張り強度がS50Cと同等レベルであり、ダイセットのベースプレート等に用いられるようになり、平面度を得るため、研削加工される機会が多くなっております。
アルミニウム合金は、延性(伸び)が大きく、熱膨張係数が大きいという特性を持ちます。伸びが大きいということは、つながった切り屑がでやすく、また砥 粒に溶着して目つまりし易い材料です。したがって、気孔の大きなハイポーラスな砥石を用い、研削液を十分に供給する必要があります。
熱伝導率が大きいので、局所的に熱がこもって、高温になることはありませんが、線膨張係数が大きいため熱変形が大きく、また縦弾性係数が小さいので、研 削抵抗により歪みやすく、形状精度を確保するのが難しくなります。また剛性が小さい形状の工作物では、びびりが発生する場合がありますので、出来るだけ研 削抵抗を小さくする必要があります。

表1.アルミ合金の物性表(S50Cとの比較)
材料名 引張り強さ
N/mm2
伸び
(%)
硬さ
(HB)
熱伝導率
cal/cm2s℃
線膨張係数
(x10-6)
比重 縦弾性係数
N/mm2
A2017(T451) 420 22 105 0.32 23.4 2.79 69,000
A5052(H112) 260 10 68 0.33 23.6 2.79 71,000
A7075(T651) 530 6 155 0.31 23.6 2.82 72,000
 S50C  610 18 179 0.12 11.7 7.9 114,000
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※研削抵抗を小さくする「VERホイール」のご使用をお奨めします。

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