【No.0511-18】オーステナイトーフェライト系ステンレス鋼の特徴と加工条件

オーステナイト-フェライト系ステンレス鋼は、SUS329と表示され、化学成分的には25%Cr-5%Niとオーステナイト系に比べCr量を高めにしているため、オーステナイトとフェライトの2相混合組織になっています。オーステナイト系に比べ常温強度が高いのが特徴です。特に海水に対する耐食性に優れています。
オーステナイトフェライト系ステンレス鋼の概略の物性を他のステンレス鋼と比較して以下の表に示しますが、この種類のステンレス鋼は、熱伝導率はオーステナイト系ステンレス鋼に次いで悪く、線膨張係数、伸び、引張り強さなどの難削性は、マルテンサイト系、フェライト系ステンレス鋼と同等レベルです。
また、磁性があります。
研削加工上の注意点としては、熱伝導率が悪いので、研削熱を出来るだけ発生させないようにすることが重要です。従って、オーステナイト系ステンレス鋼と同様の加工条件を設定すれば、問題ないでしょう。

各種ステンレス鋼の物性比較
ステンレス鋼の
種類
熱伝導率
kCal/mh℃
線膨張係数
10-6
引張強さ
kg/mm2
伸び
%
硬さ
HB
焼入性 加工硬化性 磁性
マルテンサイト系
フェライト系
オーステナイト系
オーステナイト・フェライト系
21
22
14
18
10
10
17
11
76
53
59
60
30
28
60
18
217
183
187
277



多少
多少

多少



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