ステンレス鋼と一くくりにしていますが、大まかに5種類に分けられることを、前回説明しました。ここでは、それぞれのステンレス鋼の特徴について、解説します。
フェライト系ステンレス鋼の特徴と加工条件
フェライト系ステンレス鋼はSUS430(Cr:17%クロム、C:0.12%以下) で代表されるCr系ステンレス鋼であって、熱処理によって硬化しないように、炭素量を低くしたものであり、焼き鈍し状態で供給されます。成分は、鉄ークロ ム系が基本であり、JIS鋼種はクロム量11~32%で、炭素量は0.12%以下です。耐食性を増すため、モリブデンを含むものもあり、磁性があります。
マルテンサイト系ステンレス鋼に比べて、強度、硬さは劣りますが、加工性は優れています。またモリブデンを含み、クロムの量を増やしたものは、耐食性に優れます。
フェライト系ステンレス鋼の物性として、熱伝導率、線膨張係数、引っ張り強さ、及び伸びなどは、普通の低炭素鋼並で、被削性はオーステナイト系より良好 です。研削条件としては、一般の低炭素鋼と同様の条件を選定すれば、良いでしょう。また研削砥石としては、関連商品に示します砥石、ホイールを推奨致しま す。
ステンレス鋼の 種類 |
熱伝導率 kCal/mh℃ |
線膨張係数 10-6 |
引張強さ kg/mm2 |
伸び % |
硬さ HB |
焼入性 | 加工硬化性 | 磁性 |
マルテンサイト系 フェライト系 オーステナイト系 |
21 22 14 |
10 10 17 |
76 53 59 |
30 28 60 |
217 183 187 |
有 無 無 |
多少 多少 大 |
有 有 無 |
関連商品
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UKシリーズ(難削材加工用砥石) | ●ピンクアランダム系多孔質砥石 仕様:「UK-#60(~#120)・A・P-P」(フェライト系ステンレス鋼用) 他にプリハードン鋼(NAK55,NAK80)HPM38,STVAX(Hrc52~)、マルテンサイト系ステンレス鋼に仕様が可能です。 |
STRAXホイール | ●ハイブリッド高能率多孔質レジンボンド 仕様:「KCB170S・BVKU-ST」(SUS系焼入鋼用) 「KCB170S・B-USUS」(オーステナイト系ステンレス鋼SUS303,304用) |
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