【No.0508-15】フェライト系ステンレス鋼の特徴と加工条件

ステンレス鋼と一くくりにしていますが、大まかに5種類に分けられることを、前回説明しました。ここでは、それぞれのステンレス鋼の特徴について、解説します。

フェライト系ステンレス鋼の特徴と加工条件
フェライト系ステンレス鋼はSUS430(Cr:17%クロム、C:0.12%以下) で代表されるCr系ステンレス鋼であって、熱処理によって硬化しないように、炭素量を低くしたものであり、焼き鈍し状態で供給されます。成分は、鉄ークロ ム系が基本であり、JIS鋼種はクロム量11~32%で、炭素量は0.12%以下です。耐食性を増すため、モリブデンを含むものもあり、磁性があります。
マルテンサイト系ステンレス鋼に比べて、強度、硬さは劣りますが、加工性は優れています。またモリブデンを含み、クロムの量を増やしたものは、耐食性に優れます。
フェライト系ステンレス鋼の物性として、熱伝導率、線膨張係数、引っ張り強さ、及び伸びなどは、普通の低炭素鋼並で、被削性はオーステナイト系より良好 です。研削条件としては、一般の低炭素鋼と同様の条件を選定すれば、良いでしょう。また研削砥石としては、関連商品に示します砥石、ホイールを推奨致しま す。

各ステンレス鋼の概略の物性を以下に示します。
ステンレス鋼の
種類
熱伝導率
kCal/mh℃
線膨張係数
10-6
引張強さ
kg/mm2
伸び
%
硬さ
HB
焼入性 加工硬化性 磁性
マルテンサイト系
フェライト系
オーステナイト系
21
22
14
10
10
17
76
53
59
30
28
60
217
183
187


多少
多少


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