一般焼成砥石のツルーイング・ドレッシングには通常、単石ダイヤモンドの原石を焼結法などにより強固に保持したドレッサーを砥石幅方向にトラバースさせて、ドレッシングします。
●単石ダイヤモンドドレッサーの取り付け
ダイヤモンドドレッサーの取り付け方法は、平面研削盤の場合、マグネットチャック上に右図(1)のように、砥石軸からおろした垂線に対し、10~15°程度傾けて取り付けます。このとき傾ける方向を(2)のように間違わないようにします。(2)の場合、びびりが発生して、ドレッシングがうまく行われない場合があります。
●基本的なドレッシング条件の基本的選定法
基本的なドレッシング条件を表1に示します。被加工物の面粗さを良好にしたいほど、砥石面の面粗さを小さくする必要があります。
砥石面の面粗さを良くするには、ドレッサーの砥石1回転当たりの送りピッチを小さくすれば良くなりますが、切れ味も低下しますので、注意が必要です。
作業方法 | 送りピッチmm | 切込みμm | 回数 | ドレスアウト |
普通研削 | 0.1~0.3 | 5~20μm | 2~3 | 1~2 |
精密研削 | 0.075~0.15 | 5~20μm | 2~3 | 1~2 |
鏡面研削 | 0.04~0.075 | 5~10μm | 5~10 | 2~3 |
●単石ダイヤモンドドレッサー使用上の注意事項
単石ドレッサーによるツルーイング・ドレッシングにおける一般的な注意事項を以下に示します。
①ドレッシング局部に冷却液(研削液)を十分供給してください。注水が不十分な場合、摩擦熱によりダイヤモンドの黒鉛化現象が生じ、クラック、破損などが起きて、寿命が短くなります。
②ドレッシングの際、砥石面にダイヤモンドを一度に深く切り込ませないでください。ダイヤモンドは非常に硬いが脆いので、砥石の中央から切り込んで左右に送るようにして下さい。
③ドレッサー切り込み量tは0.02mm/pass以下に押さえて下さい。荒ドレッシングは切り込み量を増やすより送り速度を速くする方がドレッサーの摩耗にとって有利です。
④単石ダイヤモンドドレッサーは同じ位置ばかりで使用せず、時々回転させて使用しダイヤモンド先端の摩耗を平均化し、ダイヤモンドの摩耗を遅らせる必要があります。
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