アルミニウムは比重が銅や鉄の約1/3と軽く、また表面が酸化して耐食性のよい酸化被膜(アルミナ)ができ、それ以上酸化の進行を防止するので優れた耐 食性を持つ材料で、年々使用量が増加し、研削加工する場合も増えています。今回は、アルミ合金を取り上げ、その種類と研削加工条件について概観します。
アルミ合金の種類
純アルミニウムは、延性が大きく、熱膨張係数が大きいという難削特性を持つ難削材であることは、既にお話しました。アルミ合金は、用途によって強度を高 めるなどの性質を改善するため、種々の元素を加え使用されます。アルミ合金もステンレス鋼と同様に種類により特性がかなり異なります。その分類を以下に示 します。
非熱処理型合金 | 純アルミニウム(1000系) | 99%以上の純アルミニウム系の材料。この系の材料は加工性、耐食性、溶接性などに優れるが、強度が低いので構造材には適さない。 |
Al-Mn系合金(3000系) | 3003はこの系の代表的合金で、Mnの添加により純アルミニウムの加工性、耐食性を低下させることなく、強度を1100より10%増加させている。 | |
Al-Si系合金(4000系) | Si粒子の分散させ強度をたかめている。4032は鍛造ピストン材料として用いられている。 | |
Al-Mg系合金(5000系) | 加工性、耐食性が優れており、建築用内装天井板、建材、器物材として用いられている。 | |
熱処理型合金 | Al-Cu-Mg系合金(2000系) | ジュラルミン、超ジュラルミンの名称で知られる2017,2024が代表的なもので、鋼材に匹敵する強度を持つ。しかし比較的多くの銅を含むため耐食性に劣り、腐食環境にさらされる場合は十分な防食処理を必要とする。 |
Al-Mg-Si系合金(6000系) | この系の合金は強度、耐食性とも良好で、代表的な構造用材として挙げられる。 | |
Al-Zn-Mg系合金(7000系) | Al-Zn-Mg-Cu系合金は、超々ジュラルミンと呼ばれアルミニウム合金のなかで最高強度を持つが、耐食性は劣る。 |
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