前回までの、難削材の研削加工のお話で、難削性を分析しそれぞれの難削性に対応した研削方法について解説してきましたが、今回からは材料別に最適な研削方法について述べてみたいと思います。その第1弾として、ステンレス鋼を取り上げます。
ステンレス鋼は難削材の加工でお話しましたように、熱伝導率が悪く、加工硬化性、延性、熱膨張が大きいという4つもの難削特性を持つ材料で、研削加工が難しい材料です。
ところで、一口にステンレス鋼といっても下に示すように五つの種類があり、特徴もそれぞれ異なります。
【ステンレス鋼の種類】
ステンレス鋼とはCr(クロム)を11.5%以上含む耐食性を有する鋼であって、Crのみを主成分とするものと、Cr-Niを主成分とするものに分類で きます(JIS G 4303 ~4309)。また組織により、マルテンサイト系(体心立方晶、正方晶、最密立方晶)、フェライト系(体心立方晶)、オーステナイト系(面心立方晶)の3 分類に、析出硬化系と2相系を加えた5分類に分けられます。
※1:25Cr-5NiとCrを高め、Niを下げてフェライトとオーステナイトの2相組織にしたもの
※2:17-7ステンレス鋼にCu(630)又はAl(631)を加え、Cuリッチ相或いはAl-Ni金属間化合物を析出硬化させたもの
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