【No.0505-12】難削材とは -柔軟材料-

この分類に含まれる材料としては、樹脂、ゴムなどの非金属材料があり、非常に軟らかく、切り屑を生成し難い特徴を持つ。下表は主なゴムの物性を示しますが、引っ張り強度は鉄鋼材料に比較し1/10~1/30と小さいが、伸びが100~900%ときわめて大きく、砥粒が切り込んでも弾性変形して切り屑として排出し難い。また熱に弱く砥石の切れが味が悪く表面をこすっていると摩擦熱により高温になり耐熱温度を超えると、焦げたり、組織が変質したりします。

従って、ゴムや樹脂などの非金属軟質材料を研削するには、気孔率大で、チップポケットが大きく目詰まりしにくい多孔性砥石(右図参照)を用いる必要があります。
また、切れ味を良くするためドレッシング方法にも注意する必要があります(例えば、クリスタルタイプの単石ドレッサーの採用など)。
研削条件としては、研削速度を低くして、研削熱の発生を抑制するようにしなければなりません。
なお、工業用ゴムローラの材質として、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴムなどが一般的に用いられます。

UHP(多孔性)砥石

主要ゴムの物性
ゴムの種類 天然
ゴム
スチレン
ブタジエン
ゴム
ニトリル
ゴム
クロロプレン
ゴム
シリコン
ゴム
フッ素
ゴム
エチレン
プロピレン
ゴム
ハイパロン
ゴム
ブチル
ゴム
主な特徴 機械的
強度大
耐摩耗性 耐油、
耐摩耗性
耐候、
耐オゾン性、
難燃性
耐寒、
耐熱、
耐候性
耐油、
耐熱、
耐薬品性
耐水、
耐熱耐薬品、
耐候性
耐候性、
耐薬品性、
耐熱性
耐候性、
耐オゾン性、
耐ガス
透過性

引張強(MPa)
伸び(%)
耐熱性(℃)
~30
~900
100
~25
~800
120
~30
~750
130
~25
~750
130
~10
~700
300
~15
~350
300
~20
~800
150
~25
~550
150
~15
~800
150

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