前回までは、単石ダイヤモンドドレッサーによる一般焼成砥石のツルーイング・ドレッシング法を説明してきました。今回は、多石ドレッサー(多数のダイヤモンドからなる砥石成形用ドレッサー)について説明致します。
多石ドレッサーは用いるダイヤモンドの大きさと数から下表の様に分類されます。当然ダイヤモンドの粒径が小さくなるほど、使用する数量も増えます。多石ドレッサーの特徴は、ダイヤモンドの数を増やすことにより、砥石の成形能率を高め、寿命を長くすることにあります。しかし、その分負荷が大きくなりますので、剛性の大きいドレッサーホルダーや温度上昇を抑制するため冷却水を十分にかける必要があります。
複数ダイヤドレッサー形状 | 構造の特徴 | 長所 | 使用法 |
多石ダイヤモンドドレッサー |
1/20~1/2カラットまでの比較的小粒のダイヤモンド原石を1層3~10個ずつ軸方向に3~10層埋め込まれたものです。 | 多石であるため、単石ドレッサーより寿命が長い。 ドレス時間が短い(能率が良い)。 |
砥石に対し多石のダイヤモンド全面が当たるように、砥石面に垂直にセットします。切り込み送りなどは単石ドレッサーと同一でよい。 |
ボンドドレッサー |
別名ニブドレッサーとも呼ばれ、多石より細かい1/100~1/300カラットの複数のダイヤモンド原石からなります。 | 多石ドレッサーより寿命が長い。 ドレス時間が短い(最も高能率)。 ドレス後の砥石品質が安定しています。 |
粗目用R(1/100Ct)~#46の粗い砥石 中目用M(1/200ct)#54~#100砥石 細目用F(1/300ct)#120~の細かい砥石 |
インプリドレッサー |
#20~#300のダイヤモンドパウダー(粉砕ダイヤモンド)を使用しています。 | ドレッサーの切れ味が優れる(ドレス抵抗が小さい)ため 精密なドレッシングが行えます。 | ビトリファイドダイヤ・CBNホイール用 |
なお、それぞれの詳細については、技術資料「ドレッサーの種類とその特徴及び使用法」をご参照下さい。
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