【No.0408-3】薄板の平面研削における反り対策3 - 反りを抑制する砥石種類と加工条件について -

前回同様、薄板を平面研削するときの反り対策の話です。
薄板の研削の場合、前加工での反りを取り除くのが困難であったり、反りがない物でも、研削熱や研削による表面の残留応力の影響で反りが発生するなど、研削加工における課題があります。前回は反りのある工作物の反りをとる研削加工法、特にチャッキング法について説明しましたが、ここでは反りを発生させない研削方法の説明です。
反りを抑制する研削法として、
(1) 研削熱の発生をできるだけ抑制する。これには

a) 切れ味の良い砥石を湿式で使用する。
b) 「切削性」を重視し、砥石を荒くドレスする(切り込みを多く送りを速く)。
c) ドレッサーにより砥石の一部を削り落として、研削に関与する砥石幅を狭くする。
d) 目詰まりしにくい多孔性(ハイポーラス)砥石と、研削液を使用する。

(2) 工作物速度が遅いと凹方向に反りやすいので、反りに合わせて、適切な工作物速度を選定する。
(3) 上向き研削(アップカット)では凸方向に反りやすいので、ワークの反りに合わせて、切り込みを与える位置を変える。上向き研削になる位置で与えるのか、下向き研削(ダウンカット)になる位値で与えるのか(*注参照)。
(4) 1パス当たりの切り込みを小さくして研削回数を多くした方が反りが小さい。
注): 上向き研削(アップカット):下左図に示すように、砥石が工作物を下から上へ、すくい取るように削り取る研削法。
下向き研削(ダウンカット):下右図に示すように砥石が工作物を上から下へ削る研削法。

ワーク図

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