【No.0707-38】金型材とその加工法に関するお話2

今回は、プレス金型用材料についてお話します。下表1は、打抜き用パンチ・ダイの材質、表2に中・小型絞りにおけるパンチ・ダイ用型材を示しますが、被加工物が硬くなるほど、また生産数量が多くなるほど硬い材料が使用されます。

表1.打抜き用パンチ・ダイの材質(新プレス加工データブックより)
被加工材 生産数量
300万個以上 50万~300万個 5万~50万個 5万個以下
アルミニウム合金 SKD11
粉末ハイス
SKS2
SKD11
プリハードン鋼
SKS3
プリハードン鋼
SKS3
銅合金 SKD11
粉末ハイス
SKS2
SKD11
プリハードン鋼
SKS3
プリハードン鋼
SKS3
圧延鋼板 SKD11
粉末ハイス
SKD11
粉末ハイス
SKS3 プリハードン鋼
SKS3
ステンレス鋼板 粉末ハイス
超硬合金
SKD11
粉末ハイス
SKD11 SKS3
ステンレスバネ鋼板 粉末ハイス
超硬合金
SKD11
粉末ハイス
SKD11 SKS3
SKD11
ケイ素鋼板
(電磁鋼板)
超硬合金 SKD11
粉末ハイス
SKD11 SKS3
SKD11
表2.中・小型絞りにおけるパンチ・ダイ用型材 (金型設計マニュアルより)
被加工材 型材 少量生産 → 大量生産
軟鋼板 工具鋼
SK3
SKS3
SKD11(Crメッキ)
SKS12(Crメッキ)
超硬合金
鋳物
FC250
FC300
SKD11(焼入インサート)
FCD600-3(フレームハード※1、肉盛リ)
合金鋳鉄(フレームハード)
HZ合金張付ケ※2
超硬合金
インサート
オーステナイト系
ステンレス鋼
<1.2mm
工具鋼
SKS3
(Crメッキ)
SKD11(Crメッキ又は浸炭窒化)
SKD11(焼入インサート)
超硬合金
鋳物
FC300
FC350
(フレームハード)
SC410又は450にHZ合金張付
SC410
鋳鋼Crメッキ
SKD11(焼入)インサート
超硬合金
インサート

※1フレームハード: 火炎焼入(特徴=①局部加熱ができる。②焼入れ硬化層範囲や深さを自由に選択できる。③硬化層硬さがゆるやかに低下していくので剥離の恐れがない。など)
※2 HZ合金: 耐摩耗性と潤滑性を兼備した日立造船の銅基合金系金型材料(CE2F、OM)

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