【No.0604-23】ツルーイング・ドレッシングに関するお話1

一般焼成砥石或いは超砥粒ホイールは外周作業面上の多数の砥粒切れ刃の微小切削作用によって工作物表面を除去していき、所定の寸法及び形状に仕上げる働きをします。したがって、砥石作業面上の個々の砥粒切れ刃の性状、分布形態及びそれら砥粒切れ刃の包絡面としての砥石作業面形状の如何は、研削精度、加工能率、砥石寿命などに大きく影響を及ぼします。

ツルーイング・ドレッシングは、この砥石作業面の成形精度や切れ刃を創成するための重要な作業であるにもかかわらず、あまり深く突っ込んで検討されてはいませんでした。
このコラムでは、今回からツルーイング・ドレッシングを取り上げ、最適な研削加工を行う上でのツルーイング・ドレッシング法についてお話していきます。

一口にツルーイング・ドレッシングといっても、一般焼成砥石と超砥粒ホイールでは、その方法が全く異なります。ここでは、まず一般焼成砥石のツルーイング・ドレッシング法について、次に超砥粒ホイールのツルーイング・ドレッシング法を取り上げます。ただし、ツルーイング及びドレッシングの目的は両者とも同じです。
ツルーイング・ドレッシングの目的は概略以下のようになります。

「ツルーイング(形直し)」の目的
①砥石の交換時や片減りによるホイール外周作業面の回転中心からのずれを修正し、真円となるようにします。
「ドレッシング(目直し)」の目的
①砥石表面の研削過程で摩耗した砥粒を削除し新しい切れ刃を再現させたり、砥粒を微細破壊して切刃を再生したります。
②目詰まりした切り屑を取り除いたり、結合剤を削り取って、砥粒の突き出し高さを調整し、チップポケットを作ります。
一般焼成砥石では、ツルーイングもドレッシングも同一のドレッサーによって行われますが、超砥粒ホイールでは、ツルーイングとドレッシングが同一の工具によって行われる場合もありますが、別の工具を用いる場合もあります。
なお、砥石面にR形、山形などの複雑な砥石形状を成形する場合にもツルーイング・ドレッシングという言葉が、曖昧に使われておりますが、ここでは、「フォーミング」と呼んで、別の作業として説明していきます。

インフォーメイション(5月以降の掲載予定)

①一般焼成砥石のツルーイング・ドレッシング・フォーミングに関するお話(5、6月掲載予定)
②超砥粒ホイールのツルーイング・ドレッシング・フォーミングに関するお話(7、8、9月掲載予定)