【No.0512-19】析出硬化系ステンレス鋼の特徴と加工条件

析出硬化系ステンレス鋼:Cr-Ni系ですが、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS301)にCu又はAlを加え、熱処理によって硬化物を析出させるのが特徴です。この場合、マトリックス組織(素地)と析出硬化物は、化学成分および添加物により変えることができ、
SUS630(17Cr-4Ni-4Cu-Nb) マルテンサイト+Cu-Ni系析出物
SUS631(17Cr-7Ni-1Al) 半オーステナイト+Ni-Al系析出物
の2種類があります。

この種類のステンレス鋼は、他のステンレス鋼に比較し、引っ張り強度が大きい特徴がありますが、熱伝導率、線膨張係数、伸び、引張り強さなどの難削性は、一般のプリハードン鋼と同等レベルですので、研削条件としても、同様の条件を設定すれば良いでしょう。
以下にSTRAXによる研削加工条件例を示します。

加工例:ホイール仕様
 KCB170S・BVKU-ST
200D×14T×50.8H×10U×3X

研削液:ケミカルソリューションタイプ(×70倍)
No. 被削材 硬度 サイズ 研削方法  切込み量  設備
SUS630 Hrc40 100×100 トラバース 15μm/pass 平面研削盤
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