【No.0504-11】難削材とは-高硬度・高脆性材-

この分類に含まれる材料としては、超硬合金、セラミックス、ガラス、石英、単結晶シリコンなどがあり、硬くて脆い性質を有するものです。
超硬合金は、硬質炭化物のWC、TiC、TaCなどと、結合物質のCoからなる非鉄合金で、粉末冶金法により製造されます。
セラミックスは、Al、SiC、Si、 ZrOなどの粉体を焼結して製造したもので、硬さはHv1300~2800程度あります。

高硬度材の研削における特徴は、硬さが大きいため、砥粒が摩耗しやすく、被削材への切り込みが小さいため、下図に示しますように、研削抵抗そのものも大きいが、接線方向の研削抵抗(Ft)に対する法線方向の研削抵抗 (Fn)の比(図1参照)が極めて大きい、すなわち砥粒が食い込み難く上滑りし易いことです。また欠損し易いため、エッジ部でチッピングが生じ易くなります。

図1.研削抵抗の2分力比

従って、高硬度材研削におけるポイントは、ダイヤモンド砥石の選択が重要になります。砥粒は、フライアブル(破砕性が良い)で切れ刃が、維持できるようなタイプのもの、また結合剤は、摩耗(目つぶれ)した砥粒が脱落できるような、適正な結合度を持つレジンボンドが必要になります。
更に、切れ味の良い切れ刃の生成にはドレッシングが極めて重要で、適切なドレッシング装置、条件を選定する必要があります。
また、法線方向の研削抵抗が大きいため、切り込み方向の変形を小さくし研削精度を確保するには、剛性の高い研削盤を使用することが望まれます。

図2.各種セラミックスの研削抵抗

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