【No.0407-2】薄板の平面研削における反り対策2

●薄板の平面研削における反り対策2

前回同様、薄板を平面研削するときの反り対策の話です。
薄板の研削の場合、前加工での反りを取り除くのが困難であったり、反りがない物でも、研削熱や研削による表面の残留応力の影響で反りが発生するなど、研削加工における課題があります。特に、反りを除去する場合、工作物の固定法が重要になります。  工作物の固定方法としては、バイス、マグネットチャック、真空チャック、冷凍チャック、ワックス接着法などが用いられております。

一般鋼材の場合、マグネットチャック固定が簡便で作業性が良いので、通常良く用いられます。マグネットチャックを用いた場合、下左図に示すように、反りが有る工作物のチャックとの隙間にライナーをかませて、反りを残した状態で固定し研削することにより、反り部分を研削除去します。ある程度除去できたら、工作物を反転して、反対側の反りを取るようにします。これを繰り返して、反りを除去していきます。  セラミックス・超硬合金や、オーステナイト系ステンレス鋼等(SUS303,304等)は非磁性なので、マグネットチャックは使用できません。そこで、下右図に示すように、冷凍チャックが用いられます。この場合、固定剤が工作物全体を固定するので、ライナーをかます必要がありません。しかし、通常は乾式研削か、0℃以下に研削液を冷却して用いる必要があり、チラーユニットなどの設備が必要になり容易に導入できるものではありませんでした。そこで、最近17℃で固化する固定剤を用いた冷凍チャックが開発されております。これにより、10℃程度の研削液温で湿式研削が可能になり、そりの除去に威力を発揮しております。

薄物工作物の固定法

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