工作機械用潤滑油の特性と選定ガイド

工作機械用潤滑油の特性と選定ガイド


酸化安定性 工作機械用潤滑油は、長期間使用されているうちに酸化を受け、潤滑油にとって必要な諸性能が劣化し、トラブルの原因になります。スーパーマルチシリーズやメカニックシリーズは優れた酸化安定性を備え、長期間安定した性能を発揮するロングライフオイルです。

耐荷重性 工作機械の軸受や歯車は低速から高速まで広いレンジで運転され、さらに急激な起動・停止が絶えず繰り返されます。そのうえ、最近ではマシニングセンターなどにみられるような潤滑条件の著しく異なる複合型の工作機械が出現し、潤滑油には優れた潤滑性とともに強靭な極圧性が求められています。スーパーマルチシリーズは潤滑性・極圧性ともに優れFA時代のオイルとして最適な性能を備えています。

スラッジ分散性 近年、工作機械の自動化、切削油の水溶性化に伴って、油圧系統の作動不良が増加しています。このトラブルは油圧系統に水溶性切削油が混入し、粘着性スラッジを発生するために起こるものです。
スーパーマルチシリーズ、メカニックSFはスラッジの抑制力・分散性を備えていますので抜群の耐スラッジ特性を示し、油圧系統ではバルブやシリンダー、ポンプの固着・ストレーナーの目詰りを解消し、潤滑系統では軸受の固着・焼付などの潤滑不良を防止します。また不水溶性切削油によって発生する油脂系スラッジに対しても同様の効果を発揮します。

水分離性 水分分離性の悪いオイルを使用すると水分が油中に混入されたまま潤滑系統を循環するため発錆や異常摩耗などのトラブルが生じます。したがって大切な工作機械を守るため、潤滑油は水分分離性の優れたオイルを選択することが肝要です。
スーパーマルチ・メカニックオイルは、何れも抜群の水分分離性を備えています。

摺動面特性 工作機械の摺動面は工作物の表面粗さや寸法精度に直接、影響を与えるためとくに重要な潤滑部分です。ところが摺動面は平行な二平面で油膜が形成されにくいため金属接触が起りスティックスリップと呼ばれるビビリ現象が発生する場合があります。スーパーマルチは特殊な油性剤の効果によりスティックスリップ防止に威力を発揮します。また、抜群の低温流動性が寒冷時の起動をスムースにし、トラブル防止と電力消費に節減に役立ちます。又、マルチウェイCは市場の中で最も低い摩擦係数を示し、位置ぎめ精度向上に寄与します。

省エネ特性 スーパーマルチは、抜群の低温流動性と小さな摩擦係数を備えているため、始動性に優れウォーミングアップ時間の大幅短縮と、サイクルタイムのスピードアップ化が計れます。グラフは低温時における始動からのサイクルタイムの経時変化を比較したものです。スーパーマルチは同粘度間では約20%のサイクルタイムの短縮を示しています。さらにスーパーマルチは潤滑性に優れていますので粘度グレードを一般湯より一段下げることが可能で、その場合(スーパーマルチ22―市販油32間)では約30%もの短縮を示しました。

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