ダフニーマークプラスシリーズ

ダフニーマークプラスシリーズ

なぜ「非塩素化」するのでしょうか?
非塩素系切削油開発の背景

塩素系極圧剤は、構成刃先をコントロールし切削性を高めるために、硫黄系・りん系極圧剤と並んで広く用いられ効果を発揮してきました。なぜ今その使用を止め、すべての切削油を「非塩素化」するのでしょうか。
その理由は…。

第一に有害物質をつくらないためです。 塩素系極圧剤を含む切削油では、廃油を消極処分する際に発生する塩素ガスから、あの猛毒で知られるダイオキシンが生成される恐れのあることが分かってきました。
廃油からダイオキシンがつくられるプロセスはまだ完全に明らかになっていませんが、その疑いが濃い以上、使用は避けなければいけません。これが、すべての切削油を非塩素系化する第一の理由です。
第二に廃油処理費用を節減するためです。 ・焼却炉のいたみ
塩素系切削油の廃油を処分する際に発生する塩素ガスは、焼却炉のいたみを早めます。

・処理費の高騰

廃油処理を外部に委託する場合、塩素系廃油は、処理費の値上がりが著しく、また塩素含有量を制限されたり引取りを拒否されたりして、処理が次第に難しくなってきています。・洗浄油再生装置のいたみ
フロンやエタンの使用削減・廃止に伴い、それに代わるものとして、最近では製品の洗浄に石油系洗浄剤が多く使われていますが、洗浄液を再生利用する場合、塩素系切削油では、混入した切削油の塩素分がガス化して、再生装置のいたみを促進します。
そして第三に規制の強化に応えるためです。 ・「特別管理産業廃棄物管理責任者」の義務付け
「産業廃棄物処理法」の改正で、製品の洗浄に用いる石油系溶剤は「特別管理産業廃棄物」に指定され、廃棄処理する場合は管理責任者を置かなければならない事になりました。これは企業にとって大きな負担になるため、外部に処理を委託することが多くなると思われますが、その場合塩素系切削油が混じると処理費の高騰が問題になります。・「海洋汚染防止法」による汚染有害物質の指定
「船舶による汚染の防止に関する国際条約の議定書(マーポール条約)」に基づく「海洋汚染防止法」の改正で、塩素系切削油の一部は汚染有害物質の表示が義務付けられることになりました。

・塩素系添加剤の規制は世界の趨勢
ドイツでは旧西ドイツ時代に塩素系添加剤は有害物質に指定されていましたが、最近では『緑の党』が中心になり、塩素化パラフィンの追放運動が展開されています。
アメリカでは、塩素化パラフィンを発癌物質と認定。また1990年のクリーン・エア・アクトで、ハロゲンを一定以上含む廃油は、毒性物質として特別処理を義務付けることが提案されています。環境保護重視の立場から、こうした規則は今後ますます強化されるに違いありません。
我が国でもこうした諸外国の例にならって、いずれは法的な規制が実施されるものと思われます。


非塩素系切削油ダフニーマーグプラスの性能


新しい添加剤―応力緩和剤SR(Stress Releasor)の働き
新しい切削油には塩素系極圧剤に代って『応力緩和剤(SR)』という添加剤が用いられ、次のような働きをします。

1.クッションの働きをして集中力を緩和する ベースオイルだけでは油膜が破れるような高圧の切削条件下でも、工具と被削材の間でクッションの働きをし、集中応力を緩和して工具の疲労を少なくします。
2.極圧剤の反応による腐食摩耗を抑制する
(極圧剤と併用の場合)
極圧添加剤の働きは、金属面と反応して剪断されやすい膜を作るもので一種の腐食摩耗ですから、構成刃先の生成はは防げますが摩耗は増大します。SRは反応膜同士の間でクッションの役をし、溶着を防ぐと同時に反応膜の剪断による腐食摩耗も抑制します。

ミストが少なく、職場環境をクリーンに保つ
優れたミスト防止剤の配合により、ミストの発生が少なく職場環境をクリーンに保ちます。
特にマーグプラスNMシリーズは、低沸点留分をカット(ナローカット)したベースオイルの採用により油煙(オイルヒューム)の発生も低減した、ミスト対策専用油です。


樹脂材料にやさしい
塩素を多量に含んだ切削油は工作機械の樹脂材料を硬化させ、設備破損の原因になります。マーグプラスは非塩素系なので、樹脂材料に対する影響がありません。


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