砥石(ホイール)選定のときに必要となるパラメータ5要因に関する解説

砥石(ホイール)の種類を選定するには最低次の5要素を決める必要があります。

1.と粒(グレーン):加工物を削る刃物に相当します。

(1)一般砥石
と粒には、一般研削砥石と呼ばれる、アルミナ質を主体とするものと、炭化ケイ素質を主体とするものがあります。

 種  類 記号 化学成分 用   途
褐色アルミナ質系研削材 Al2O3 92%以上 じん性が強く鋼材一般に使用。
白色アルミナ質系研削材 WA Al2O3 99%以上 Aと粒より硬いがじん性に劣る
劈開性が高いため、高速度鋼や特殊鋼などの仕上げや軽研削。
淡紅色アルミナ質系研削材 PA Al2O3 98%以上 合金鋼、工具鋼、焼入鋼材の精密研削、軽研削。
解砕型アルミナ質系研削材 HA Al2O3 98.5%以上 合金鋼、工具鋼、焼入鋼材の精密研削。
黒色炭化ケイ素質系研削材 SiC 95%以上 GCと粒より硬度は劣るが、アルミナ質より硬い。じん性が低いので、鋳鉄、非金属、非鉄金属に適す。
緑色炭化ケイ素質系研削材 GC SiC 98%以上 劈開性高く、超硬工具や発熱しては困るような加工物の精密研削に適す。

(2)ダイヤモンド・CBN
また、超と粒と呼ばれる、ダイヤモンド、CBN(立方晶窒化ホウ素)があります。
ダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ホウ素)砥粒は超砥粒と呼ばれ、従来のWA,GC砥石に比較し高価であるが、硬度が高く耐摩耗性にすぐれ、砥石交換回数が少なく、トータル的なコスト低減を実現します。

これらの超砥粒の選定の目安としては、被削材の種類により以下のようになります。
①ダイヤモンド:鉄系以外の超硬材質の研削(超硬合金、セラミックス、サーメット等)
D:天然ダイヤモンド
SD:合成ダイヤモンド
SDC:金属被覆した合成ダイヤモンド
②CBN:鉄系材質の研削(SKH、SKD、SKS、SUS材等)
CBN:立方晶窒化ホウ素
CBNC:金属被覆した立方晶窒化ホウ素

2.粒度(グレーンサイズ):と粒の大きさを表す単位です。

砥粒のサイズを表す指標を粒度といいます。粒度は数字によって表され、数字の少ない方が砥粒のサイズが大きくなります。
ダイヤモンド、CBN共に同一規格になっております。
粒度は面粗さに影響し、良好な面粗さを得たい場合、粒度は大きな数値となります。
表示としては#170と書き「170番」と呼びます。

JIS一般砥粒粒度 JIS超砥粒粒度 平均粒径μm 超砥粒USA 超砥粒FEPA
粗粒
COARSE
10
12
14
16 16/18 1190
18/20 1080
20 20/30 1000
24 720
30 30/40 590
36 450
40/50 400
46 340
50/60 297 50/60 D301
54 278
60 60/80 250 60/85 D252
70 206
80 80/100 177 85/100 D181
90 160
100 100/120 149 100/120 D151
120 120/140 125 120/140 D126
140/170 105 140/170 D107
150 100
170/200 88 170/200 D91
180 84
200/230 74 200/230 D76
220 65
微粒
FINE
230/270 63 230/270 D64
240 60
270/325 50 270/325 D54
320 40
325/400 44 325/400 D46
400 37 36-54μ M40
500 32
600 30 22-36μ M25
700 24
800 20
1000 15 12-22μ M16
1200 12
1500 10 8-12μ M10
2000 5-12μ
2500 4-8μ M6.3
3000 2-6μ
4000
6000 3-4
8000
15000 1-2
25000 0-1

(1)粒度と最小コーナーR及び最小砥石幅の関係

砥石の粒度別に最小コーナーR、最小砥石幅の可能範囲を示した表です。
例えば…

  • 最小砥石幅が0.4mm以下のツルーイングの場合には両面ドレッサーを使い、ダイヤモンドツールも先端の鋭いものを必ずご使用ください。
  • 最小コーナーRも、0.05R以下の加工の場合には、砥石軸及び砥石フランジ面の振れが3μm以下でなければ難しいので、機械精度と砥石軸の精度、ドレッシング条件などに細心の注意が必要です。

砥石幅と粒度と最小コーナーRのグラフ及び説明図

3.結合度(グレード):結合剤がと粒を保持する強さを表します。

 結合度は、アルファベット26種類にわけて、その硬、軟を表します。
結合度の表示

←―――――         ――――→
ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ

 同じ結合剤によって作られている砥石では、同一容積の中にある結合剤の量が多ければ多いほどと粒とと粒を結びつけてる結合度は大きくなり、硬くなります。

4.組織(ストラクチャ):砥石(ホイール)の中にしめると粒の容積割合を示します。


一定の容積の中にと粒が占める割合が多ければその組織は密であるといい、少なければ粗であるといいます。
研削砥石の組織と適応
組織 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
と粒率 62 60 58 56 54 52 50 48 46 44 42 40 38 36 34 32 30 28 26 24 22 20 18 16 14 12
適 応 硬くもろい材質 ←―――――――――→ 軟らかく粘い材質
精 密 仕 上 げ ←―――――――――→ 普 通 仕 上 げ

集中度(コンセントレーション):ダイヤモンド・CBNホイールではと粒層中にと粒がどれだけ含まれているかを表す指標として集中度を用いる。砥粒率が容積%で25%(4.4ct/cm3)を集中度100と定義し、一般的には20~200の範囲で使用されます。

集中度(コンセントレーション)
集中度 50 75 100 125 150
砥粒の含有量mg/cm3(ct/cm3) 440(2.2) 660(3.3) 880(4.4) 1100(5.5) 1320(6.6)

5.結合剤(ボンド):と粒と、と粒を結合させ、砥石(ホイール)形状を維持し、研削抵抗に対しと粒を保持します。

結合剤種類 記 号 特 徴
ビトリファイド(磁器質) 長石や粘度性の無機物を1300℃ぐらいの高温で焼き固めてと粒を結合します。気孔が多く、水、アルカリ、酸、油などにより変化しません。精密研削を始め一般研削に最も使用されています。
シリケート(ケイ酸ソーダ質) ケイ酸ソーダ(水ガラス)を主成分にして、600~1000℃で焼き固めたものです。ビトリファイドより結合力は弱いのですが、研削中にケイ酸ソーダがにじみ出て、潤滑作用をしますので、研削熱の発生が小さく、工具の刃付け作業や、接触面積の多い平面研削に適しています。
シェラック(天然樹脂) 天然樹脂のシェラックを原料に170℃ぐらいで焼成したものです。結合力は最も弱く重研削には適しません。仕上げ面精度の高い作業に適します。
レジノイド(人工樹脂質) ベークライト(石炭酸フォルマリン系)を200℃ぐらいで熟成して作ります。
ビトリファイドに比べ弾性があり、抗張力が強く高速回転に使えます。切断砥石、ロール研削用砥石、鋳バリ取用などに使用されます。
ラバー(ゴム質) 天然や合成ゴムを主体にして、と粒をねりこんで、180℃ぐらいで熟成したものです。最も弾性が強く薄物砥石に適しています。熱や油に弱いので、研削液に注意が必要です。

外周(平面・円筒)研削用一般砥石用ビトリファイド結合剤の種類と用途
VSK1  一般精密研削用
V     一般研削用
VBE   一般精密研削用

(2)超と粒(ダイヤモンド・CBN)ホイール用の結合剤

超と粒(ダイヤモンド・CBN)ホイール用の結合剤としては、上記のビトリファイド、レジノイドの他、メタル(M)、電着(P)があります。

メタル(金属)ボンド 結合剤として銅合金、鉄などを用いたホイールです。耐熱性、対摩耗性に優れ寿命が長いので、寸法精度の維持ができます。
電着 電着槽内で、導電性をもつホイール本体の表面にダイヤモンドあるいはCBNと粒を散布して、ニッケル電気メッキによりと粒を保持固着したものです。総形研削に適しています。

弊社では、片桐製作所と共同で、「STRAX[UTEオリジナル]」ホイールを開発しております。
詳細は新着ニュース「UTEオリジナル超砥粒用BVKU」新ボンドのご紹介☆☆をご覧下さい。

プロファイルホイール選定基準(参考)

結合材(ボンド)
メタルボンド 金属粉末を焼結したもので、耐熱性、耐摩耗性に優れ寿命が長いので寸法精度の維持に最適です。
UMSA 先端摩耗はS-MVより早いが、安価で荒加工に適します。 再研磨が容易
S-MV 標準ボンド。切れ味、寿命伴に良好でかつ安価です。 全般に使用
M-MV S-MVより硬く、耐摩耗性に優れ、その鋭利なエッジは強固で、長時間使用に最適です。 コーナR加工
UMHT M-MVより硬く、耐摩耗性に特に優れ、耐久性にも優れた新ボンドです。 高精度加工
レジンボンド 特殊樹脂を焼結したもので、切れ味よく粗研削に最適です。
UBHP
(旧RH)
標準ボンド。研削性に優れ、片持ち加工、細物加工に適します。 荒研削から仕上研削まで
UBHR
(旧RV)
UBHPより硬く、先端エッジの強さはメタルボンドより劣りますが、切れ味ははるかに良好、耐熱性は抜群で重研削に適します。 カキ上げ、面粗度加工
UBHT UBHRより硬く、耐熱性、耐摩耗性にさらに優れた最高の新ボンドです。さらに良好な面仕上げ加工にも適します。 高精度加工、面粗度加工
メタル系複合ボンド 薄溝加工用ボンドで、高精度の溝加工ができるように開発された新ボンドです。メタルの耐摩耗性(メタルより若干劣る)とレジンの切れ味を持った複合ボンドです。最近その特性を生かし、1B9片V、3A1ストレートタイプが使用され、好結果を上げております。
T00 標準ボンド。薄溝加工に最適です。 薄溝加工、再研磨が容易
T01 T00より強度を増し、高精度加工に適します。 深溝加工、高精度加工
T02 T01より強度をさらに増したもの、高々精度加工用です。 深溝加工、高々精度加工
T03 T02の強度をさらに増した新ボンド、高々精度加工用です。 深溝加工、高々精度加工

結合度
ホイール 各ボンドにより、軟め(S)、普通(M)、硬め(H)とあります。


角度及び先端強度

先端強度の点では角度の大きい方(鈍角)が良く、中心軸に垂直な方向の荷重には強く、平行な方向の荷重には弱い。
粒度 140 170 200 230 270 325 360 400 600 800 1000
先端巾 0.2 0.18 0.16 0.15 0.14 0.12 0.11 0.10 0.08 0.08 0.06
先端R 0.09
~10
0.08
~9
0.07
~8
0.07
~8
0.06
~7
0.05
~6
0.05
~6
0.04
~5
0.03
~4
0.03
~4
0.02
~3

(150Dx7Wx1x15° 1B9片刃 DIA、UMHPボンドの先端平均基準(CBN=上記+0.01))


仕上げ面

研削条件により仕上面に相当の違いが出て来ます。例えば、横送りを小さくすると数段の良い面が得られます。(#200UMHR=0.5S/1mm/min 自動送り)
粗さ表示以内に入る粒度(ホイール)が数種あり、どれを使用するかは研削能率、精度、外観により決定して下さい。
粒 度 140 170 200 230 270 325 360 400 600 800 1000 1500
面粗度 メタルボンド 3 2.5 2 1.5 1.0 0.8 0.6 0.5 0.45 0.4 0.35 0.3
レジンボンド 2.5 2 1.84 1.2 0.8 0.6 0.5 0.4 0.35 0.3 0.25 0.2
仕上精度 精密 精密 精密 超精密 超精密 超精密 超精密

(被削材=V種、周速=2,800m/min、ストローク=60回/分、軸送り1.0mm/min 自動送り)

切り込み
切り込み量は、粗研削、仕上研削でそれぞれ異なり、ホイールの寿命に大きく影響しますが、下表に示す量が経済的な切り込み量です。

粒度 140~230 270~400 600~800 1000~1500
切り込み量 0.1~0.5 0.01~0.1 0.005~0.01 ~0.005以下

加工溝寸法
加工溝寸法は、ホイール寸法より下記の値だけ溝幅が広くなります。

外径 φ75 φ100 φ125 φ150 φ180
プラス分 0.001~0.015 0.01~0.015 0.01~0.02 0.02~0.03 0.03~0.04

先端寿命
先端寿命は、回転数、ストローク数、切込み量、送り速度及びワーク材種との関係で大きく変わります。

修理(再研磨)
先端維持のため早めにお出し下さい。

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